なぜか35歳から伸びる人・落ちる人

·
· パンローリング
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●まえがき--「35歳から伸びる人」VS「35歳から落ちる人」〜その決定的な差とは何か?

今の30代、中でもその中核を担う団塊ジュニア(第二次ベビーブームの1971年〜74年生まれ)
を「受難の世代」とか「貧乏くじ世代」と呼ぶ人がいます。ライバルの多さから、
子どもの頃より厳しい受験戦争にさらされ、やっとの思いで大学を卒業しかたと思えば
バブル経済の崩壊にともなう就職氷河期が直撃。それを何とかクリアして、いざ社会に
出てみると、今度は、これまでサラリーマン生活を支えてきた終身雇用制度や
年功序列型の賃金制度が崩壊。

成果主義や実力主義といったアメリカ式の価値観のもと、ごく一部の「勝ち組」と
多くの「負け組」に大別され、所得格差は言うに及ばず、うかうかしているとリストラ
されてしまう危機にも直面しています。おまけに年金制度まで崩壊しつつあり、
現役時代の生活設計はもとより、リタイア後の生活にも明るさが見えない、極めて
厳しい環境の中で生きていくことを余儀なくされています。

こうしてみると、今の30代が「受難の世代」「貧乏くじ世代」と呼ばれるのは
無理からぬことだと思います。

〜中略〜

人生を「起・承・転・結」にたとえるなら、30代は、このように「転」の時期、
すなわちターニングポイントにあたります。将来に備え学力と体力を鍛える10代が「起」。
それを受けて学生時代を送り、社会に船出をする20代が「承」なら、公私ともに「転」
の時期となる30代は、その過ごし方や考え方しだいで、40代以降の後半の人生、
すなわち「結」の部分を大きく左右する重要な10年になるということです。

そこで私は、本書を通じ、30代のあなたに、「できる人間」へと自己プロデュース
していくことをおすすめしようと考えています。私は現在、在京ラジオ局で
番組プロデューサーをしていますが、あなたにも、自分で自分を変えるプロデューサー
になってほしいと思います。すでに38〜39歳になっていて、(自分はもう40歳手前だから)
などと思っているあなたもけっして遅くはありません。

〜中略〜

私はこれから始まる本編の中で、これら5つを柱に「30代の戦略的
プロデュース」について、話を進めていきたいと思います。ただ、いくら自分を変える
ノウハウを学んでも、実際に試してみなければ、「学ばなかった」のと同じです。
「受難の世代」「貧乏くじ世代」などと呼ばれることに甘んじたり、あきらめることなく、
本書の中で何か一つでもヒントを得て、自分を変えるために試していただければ、
著者としてこれほど嬉しいことはありません。

●もくじ

第1章 「あの人はできる!」と思わせる自己・プロデュース

第2章 「あの人に来てもらいたい」と思わせる仕事・プロデュース

第3章 いざという時に頼れる人間関係・プロデュース

第4章 家族、子育てを楽しむ生活・プロデュース

第5章 人生を大きく変える時間・プロデュース

●「第5章 人生を大きく変える時間・プロデュース」より

■5 15分以上考えるのはやめよう■

どんな人でも一日にこなさなければならない仕事を5つ以上は持っているものです。
雑用を含めれば10個以上の仕事を処理しなければならないという人が多いのでは
ないでしょうか。

それら一つ一つにじっくり時間をかけることができれば、それに越したこととは
ありませんが、すべてに時間をかけていると、あなたが自由に使える時間はその分
だけ少なくなります。仕事に(ここまでやればいい)というゴールはないので、
いいものを作ろうと悩み始めたらキリがありません。

しかし、時間と成果は比例しないものです。ちょうど、時間をかけて作った料理より、
冷蔵庫内の残り物でさっと作ったもののほうが美味しかったりするのと同じです。
ですから私は、一つのことを考えるのに15分以上かけないようにしています。

そこで私は、特に、大学講師や執筆といった複数の仕事を抱えるようになった40代を
契機に、どんなに頭を悩ます仕事でも、15分以内で考え、仕事にとりかかるスタイルを
習慣にしてきました。(15分で思いつく、考えつく)→(これでやってみようと決断する)
→(決めたら一気呵成に取りかかる)という方法に、です。たとえば、番組の企画書や
台本作成は15分で考えます。もし、15分間考えてアイデアが浮かばないときは、
さっさとやめて次の作業に移るようにしています。

私が主催する企画会議では、15分かけて結論が出ない場合、延々と考えても好転する
ことは少ないですから、すぐ違うテーマに切り替えるようにしています。ジャーナリストの
田原総一朗さんも、ほぼ同じようなことをしています。「考えてみて何も思いつかないときは、
リセットして次の仕事にかかるんだよね。そして、次の仕事が終われば、元に戻ってさっきの
問題を考え直してみるんだね。そうするとね、リフレッシュされてアイデアが沸いてくるから不思議だね」

みなさんの中には、(そんなこと言ったって、たった15分で答えなんか出ないよ)と思う人も
いるでしょう。もちろん多少の個人差はありますが、15分必死で考えてアイデアが浮かばないのは、
気分が乗っていない証拠、頭が冴えていない証拠だと考え、時間を無駄にせず、
別の作業を始めることをおすすめします。

●著者紹介
清水克彦(しみず・かつひこ)
文化放送プロデューサー/江戸川大学非常勤講師、1962年愛媛県(現在の今治市)出身。
早稲田大学教育学部卒業後、文化放送入社。主に報道畑を歩き、政治・外信記者として
数々の国政選挙をはじめ、東欧の民主化や湾岸戦争、香港返還や9・11テロなど歴史の転換点を取材。
1997年、米日財団メディアフェローに選ばれ、ディベート研究のため米国留学。
帰国後、NRN系全国ネットラジオ番組に『ニュースパレード』キャスターや政治担当キャップを歴任。
米譲会上院選では、ヒラリー・クリントン候補の選挙スタッフも経験。現在は、
ニュース情報ワイド番組プロデューサーや南海放送コメンテーターを務めるかたわら、
大学講師、教育ジャーナリストとしても活動している。
著書に、ベストセラー『人生、勝負は40歳から!』(ソフトバンク新書)のほか、
『出会って1分で相手の心をつかみなさい』(かんき出版)、
『わが子を名門小学校に入れる法』(PHP新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新暮)、
『頭のいい子が育つパパの習慣J(PHP文庫)などがある。

※本商品は「なぜか35歳から伸びる人・落ちる人」(こう書房刊 清水克彦著 ISBN:978-4-7696-0950-6 208頁 1470円(税込))をオーディオ化したものです。

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