内容紹介
『雨ニモマケズ』は、作者である宮沢賢治の没後に発見された
手帳に書かれていたメモであり、この手帳の存在は賢治の生前には
家族にも知られておらず、本作が最初に活字化されたのは、
没後1年を経たのちであった。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ…」
の書き出しではじまるあまりにも有名な宮沢賢治の名作です。
※同時収録!!!
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◇「春と修羅」序
この作品は、宮沢賢治の制作した口語詩であり、
同作品を収録した詩集のタイトルでもある。
生前に刊行された唯一の詩集として知られています。
◇「永訣の朝」
賢治の妹、とし子の臨終をうたった詩である。
「あめゆじゅとてちてけんじゃ……」
妹が最後に賢治に欲したのは、真っ白な雨雪だった。
◇「猫の事務所」
宮沢賢治の童話。
猫の事務所における5匹の猫を描いた短編で、
賢治の数少ない生前発表童話の一つである。
軽便鉄道の停車場のちかくにある猫の第六事務所は
猫の歴史と地理をしらべるところです。
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1896(明治29)年8月27日生〜1933(昭和8)年9月21日没。岩手県花巻生まれ。ふるさと岩手を心象風景の理想郷“イーハトーブ”と呼ぶなど、独特な感性と自然観で捉えた作品を多数遺す。農業指導・研究家として活動し、教職を務めた後、「羅須地人会」を設立。農民生活向上のため粉骨砕身するが肺結核に倒れ、世を去った。死後、彼の創作は高い評価を受け、国民的作家となる。天体や鉱石に深い造詣を持つなど、その世界は現在でも研究され、多くの人に親しまれている。代表作『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』、詩集『春と修羅』など。