愛撫

アイ文庫

Narrated by 松本奈保子

11 min

猫好き作家、梶井基次郎。猫への愛はいつしか強烈な妄想へ…… 猫の耳を切符切りでパチンとやってみたいと思ったことはありませんか? 爪をとった子猫の前足は白粉刷毛にぴったりだと思いませんか……? 「檸檬」梶井基次郎、得意の妄想系暴走掌編。 演出=水城雄。 【演出・朗読者について】 「毛の生えた声」の持ち主、松本奈保子。猫をめぐる妄想を語るには、色気がにじみでるようなその声がぴったり。 水城雄の指導のもと、読み込んでこそにじみでるものを追求して、この作品をつくりあげました。短いながら、梶井基次郎らしさがでた掌編です。 (C)アイ文庫
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Additional Information

Publisher
アイ文庫
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Published on
Apr 1, 2006
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Duration
11m 0s
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Language
Japanese
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Genres
Fiction / General
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Eligible for Family Library

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内容紹介

知る人ぞ知る名作家、梶井基次郎の代表作「檸檬」のオーディオブック!!

「檸檬」は1925年、同人誌「青空」の創刊号にて発表された。
発表当時は、ただ静かに同人誌に発表されただけであったが、
その後小林秀雄らに評価され、梶井基次郎自身が文壇に認められる作品となった。
また以後には、書店に檸檬を置き去る人が後を絶たなかったと言われている。

梶井基次郎は、自身が少年時代から肺結核に苦しみ、若くしてこの世を去ることとなったが、
そのため基次郎の作品には、肺病を患った主人公が多く登場する。
「檸檬」の主人公もまた、肺を病んでいた…

—その檸檬の冷たさはたとえようもなくよかった。
その頃私は肺尖を悪くしていていつも身体に熱が出た。
その熱い故だったのだろう、握っている掌から
身内に浸み透ってゆくようなその冷たさは快いものだった—


得体の知れない不安に心をおさえつけられ、
好きであった音楽や丸善に辛抱がならなくなる。
誰もいないところへ逃れたいと願い彷徨い歩いていた折、
以前から好きであった暗い果物屋に珍しく並んでいた檸檬を目にする。
ただひとつだけ買ったその檸檬は、不思議と心の不安を和ませ、
心を幸福な感情で満たしていった。

梶井基次郎(かじい・もとじろう)

1901年(明治34年)〜1932年(昭和7年)。大阪市西区生まれ。近代日本文学の古典的存在とされる。
高校時代エンジニアを目指していたが、その後文学に傾倒し東京帝国大学文学部英文科に進学。
1925年(大正14年)、同人誌「青空」を刊行し、代表作「檸檬」を発表。
その作品は、自身の病気を題材にすることも多く、私的小説的な作品が多い。
1932年(昭和7年)、肺結核のため死去。享年31歳。
命日の3月24日は、その代表作から、「檸檬忌」(れもんき)と呼ばれている。

あらすじ

1926年に同人誌『青空』にて発表された耽美的名作。
月光の下、影と自己との境目を見失った若者が遂げた生と死の物語。

お手紙によりますと、あなたはK君の溺死について、
それが過失だったろうか、自殺だったろうか、自殺ならば、それが何に原因しているのだろう、
あるいは不治の病をはかなんで死んだのではなかろうかと様さまに思い悩んでいられるようであります。

そしてわずか一ひと月ほどの間に、あの療養地のN海岸で偶然にも、K君と相識ったというような、
一面識もない私にお手紙をくださるようになったのだと思います。

私はあなたのお手紙ではじめてK君の彼地かのちでの溺死を知ったのです。

私はたいそうおどろきました。と同時に「K君はとうとう月世界へ行った」と思ったのです。

どうして私がそんな奇異なことを思ったか、それを私は今ここでお話しようと思っています。

それはあるいはK君の死の謎を解く一つの鍵であるかも知れないと思うからです。

梶井 基次郎(かじいもとじろう)

1901年(明治34年)〜1932年(昭和7年)。大阪市西区生まれ。近代日本文学の古典的存在とされる。
高校時代エンジニアを目指していたが、その後文学に傾倒し東京帝国大学文学部英文科に進学。
1925年(大正14年)、同人誌「青空」を刊行し、代表作「檸檬」を発表。
その作品は、自身の病気を題材にすることも多く、私的小説的な作品が多い。
1932年(昭和7年)、肺結核のため死去。享年31歳。
命日の3月24日は、その代表作から、「檸檬忌」(れもんき)と呼ばれている。

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