与謝野晶子による現代語訳を朗読しオーディオ化しました。
多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。
またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。
源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。
期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、
その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、
日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。
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源氏物語 第四帖 夕顔(ゆうがお)
源氏は、従者惟光の母でもある乳母の見舞いに訪れた際、
隣家の垣根に咲く夕顔の花をきっかけにその家の女主と出会い、
興味を持つようになる。
源氏は身分を隠しながらも、惟光の手引きで夕顔のもとへ
通うようになり、だんだんと心を奪われていく。
八月の十五夜、源氏は荒れ果てた帝室の某院へと夕顔を連れ出した。
気味の悪い屋敷に怯えながらも、夕顔は次第に打ち解けていく。
その夜、寝入った源氏の枕元に女性が現れ、恨み言をいって夕顔に
手をかけようとする。源氏が驚いて目を覚ますと、夕顔はそのまま
息を引き取ってしまった。
夕顔の死に嘆く源氏は、惟光に命じて弔いを済ませるも、
帰りの途上で落馬して床についてしまう。
病も回復した頃、夕顔には幼い女の子がいることを源氏は知り、
探し出して引き取りたいと考える。
十月、空蝉は夫とともに任地へくだり、源氏の元から去っていく。
時雨の初冬、源氏は人目を忍ぶ恋の苦さを思うのであった。