芥川龍之介 01「魔術」

· パンローリング
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内容紹介

『魔術』『蜜柑』 同時収録!!!
2作品お楽しみいただけます!


『魔術』

ある時雨の降る晩、私はマティラム・ミスラ君(ハッサン・カンという名高い婆羅門の秘法を学んだ、年の若い魔術の大家)の家を、魔術を使って見せてもらうために訪ねる。その家で私は魔術を体験することとなる。

いくつかの不可思議を体験したのち、私はミスラ君に頼み魔術を教えてもらうこととなる。ミスラ君が言うにはハッサン・カンの魔術を習おうと思ったら、まず欲を捨てなければならないとのことである。ミスラ君に魔術を習い1ヶ月ほどたったころ、私は友人たちの前で魔術を披露することになるのだが……。


『蜜柑』

ある冬の日暮。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下し、ぼんやり発車の笛を待つていた。やがて発車の笛が鳴り、13、4歳くらいの小娘が一人、慌しく中へ入ってくる。そしてその小娘は私の隣に座る。

汽車はトンネルへはいり、そしてトンネルからやっと出たと思ったその時、踏切りの柵の向こうに、私は頬の赤い三人の男の子が並んで立つているのを見た。あたたかな日の色に染まっている蜜柑が五つ六つ、汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降つている…。

芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)

1892年─1927年。東大在学中に同人雑誌「新思潮」に発表した「鼻」を漱石が激賞し、
文壇で活躍するようになる。王朝もの、近世初期のキリシタン文学、江戸時代の人物・
事件、明治の文明開化期など、さまざまな時代の歴史的文献に題材をとり、スタイルや
文体を使い分けたたくさんの短編小説を書いた。体力の衰えと「ぼんやりした不安」から自殺。 その死は大正時代文学の終焉と重なっている。

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