かわいくて
かしこくて
もういない
『10の奇妙な話』の著者であるブッカー賞最終候補作家が描く、奇妙で切ない8つの寓話。
デイヴィッド・ロバーツのイラスト43点収録!
電灯もオイル・ランプもなく、夜がまだ謎めいていたころ、森を忍び歩く悪魔として恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べさせられ、故人の罪を押しつけられた「罪食い熊」。スポットライトを浴びせられ、人間の服装で綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。ロンドンの下水道で、雨水や汚れを川まで流す労役につかされた「下水熊」。──現在のイギリスに、この愛おしい熊たちはいません。彼らはなぜ、どのようにしていなくなったのでしょう。『10の奇妙な話』の著者であるブッカー賞最終候補作家が皮肉とユーモアを交えて紡ぐ8つの物語。
【目次】
1 精霊熊
2 罪食い熊
3 鎖につながれた熊
4 サーカスの熊
5 下水熊
6 市民熊
7 夜の熊
8 偉大なる熊(グレート・ベア)
訳者あとがき
解説=酉島伝法
1960年、イギリス生まれ。
翻訳家、物書き。コナリー「失われたものたちの本」、