ここが変だよ「学力の経済学」: 教育経済学の理論とその限界

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「学力の経済学」は2015年に、慶應義塾大学の准教授である中室牧子氏によって出版された書籍で、
データ分析によって、これまでの教育の定石を覆すことができることを示した本です。
例えば、「ご褒美で釣ってはいけない」「ほめ育てはしたほうがよい」「ゲームをすると暴力的になる」など、
これまでは子どもの教育の常識と思われていたことが、データ分析の結果からすると実は逆効果だったり、
大した問題ではなかったことが分かったというわけです。
このように、教育を経済学の理論や手法で分析することを教育経済学と言い、
中室氏は自身を教育経済学者であると述べています。
この「学力の経済学」は、出版されて以来大きな反響があり、数十万部を売り上げるベストセラーとなりました。
そして、中室氏も有名となり、テレビや雑誌などで何度も取り上げられるようになりました。
いつの時代のいかなる社会においても、教育は常に重要なテーマであり、
その教育について議論することはとても価値のあることだと思います。
その意味で、中室氏の「学力の経済学」が新しい切り口で教育の在り方を論じたことは、
評価されるべきものと思います。
ただし、その主張の全てをうのみにすることは危険です。
なぜなら、データからだけでは見えない肌感覚の世界も教育にとってはとても重要だと思うからです。
また、そもそもデータはどこまでも結果に過ぎず、その意義は人間の解釈によっていくらでも変更できてしまうからです。
それについては本書を読み進める中で共感していただけるのではないかと思います。
そして、この点について強い違和感を感じたことが、本書を書くこととなった理由です。
本書では、中室氏の「学力の経済学」の主張の中で、違和感のあるいくつかの点について、
反論や別見解を掲載しています。
それらの反論は必ずしもデータを根拠にしたものばかりではありませんが、
少なからず読者にも納得いただけるものと思っています。
本書は、まず先に、同書の中での中室氏の主張を簡潔に要約し、
それに対する反論を続けて掲載する形で構成されています。
本書が、教育の在り方に関する議論をより深める一助となることができれば幸いです。
目次
※カッコ内は「学力の経済学」の該当ページ
はじめに
なぜ本書を書こうと思ったのか?
議論1:「目の前ににんじん作戦」(P29)
にんじんの効果はいつまでも続かない!
議論2:「ほめ育てはしてはいけない」(P41)
ほめることは、自尊心の高揚以上の意義がある!
議論3:「ゲームをしても暴力的にならない」(P52)
何をもって問題行動と定義するのか?
議論4:「親以外の他人が子どもの勉強を見ても効果がある」(P61)
エビデンスはいずこに?
議論5:「情報は金」(P106)
リンゴとオレンジを比べてはいけません!
議論6:「子ども手当じゃ学力は上がらない」(P130)
そもそも子ども手当の目的って?
議論7:「教員をご褒美で釣る」(P148)
実験結果をそのまま現実に適用してよいのか?
議論8:「教員免許制度をなくそう」(P154)
実は教員免許制度ってすごいかも!

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