その独自の作風から「わが国の自由詩の作品史にかつて現れたことがない」と評されるれる鬼才の詩人千慶烏子の処女作品『ねじふりこ』をデジタル出版。二十世紀末、90年代という時代の引き出しの中に仕舞われたまま忘れ去られている重要な何か、読むたびに読者を戸惑わせたり混乱させたり魅了したりする風変わりで貴重な何か――おそらくは、百余の断章で構成される本書の核心に横たわっているのは、この何とも名付けがたい、途方もなくわれわれを魅了するあの「何か」であるにちがいない。烏子と捩子と振子のパノラマ島奇譚。
千慶烏子(せんけいからす)は日本の詩人・批評家。男性。