五七五の十七音に季節感と情感が込められた俳句は、
古来、多くの日本人に親しまれてきました。
その魅力はいまや、国内にとどまらず、海外にも広がりつつあります。
俳句には「季節感が感じられることば」すなわち季語が使われます。
それは、長い年月の中で磨き上げられてきた含蓄と趣のある日本語であり、
そこには、この豊かで美しい自然に根ざした人びとの日々の営みが反映されているのでしょう。
▼目次
四季の俳句
序章 季節を知る
・季語とは
・俳句における季語
・季語の種類
・新暦と旧暦
・二十四節気と七十二候
第一章 春
長閑/冴返る/彼岸/水温む/猫の恋/蛇穴を出づ/落し角 ほか
第二章 夏
短夜/入梅/麦の秋/土用/夕立/雲の峰/虹/夕焼/青嵐/雪渓 ほか
第三章 秋
爽やか/身に入む/稲妻/天の川/鰯雲/野分/露/水澄む/不知火 ほか
第四章 冬
霜夜/冴ゆ/時雨/虎落笛/凩/狐火/酉の市/柚子湯/帰り花/水仙 ほか
第五章 新年
松の内/若水/初空/初景色/屠蘇/七種/嫁が君/初鴉 ほか
▼「日本のたしなみ帖」シリーズについて
みなさんは、外国の人たちに日本の文化として何を伝えますか?
日本で生まれ育った私たちには当たり前のことでも、
外国の人たちには不思議に見えることがあったりします。
そこでまず、私たち自身が日本の自然と文化の魅力を見直し、学び直し、
それらを後世と世界の人たちに伝えていきたい。
そうした想いをこの「日本のたしなみ帖」というシリーズに込めました。
このシリーズが、私たちの暮らしをより健やかに愉しく、心豊かにするきっかけとなり、
さらに、異文化理解の一助になることを願ってやみません。